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イネーブルメント(enablement)とは何か — sales enablement, revenue enablementの意味するところ

※動画はこちら

前回、皆様のビジネスを支援する上で、また本ブログでナゾ解明の旅を続ける上で、避けて通れないカタカナ用語として、エンゲージ(メント)の説明を致しました。

今回説明するのはイネーブルメント(enablement)になります。こちらも原語は英語でして、辞書を引くと「機能などの使用可能性」とあります。これの動詞形はenableでして、こちらは「可能にする、可能性を与える、できるようにする」あるいは「機能などを有効にする」とあります。ビジネスの発展あるいはテクノロジーの活用という観点からは、何らかテクノロジーを導入することによって、「これまでできなかったことができるようになる」といった意味合いで解釈すればよろしいかと思います。ただ、悩ましいのは、これを簡潔に説明する日本語が見当たらず、説明に苦慮してしまうということで、今回はその説明をすることと致したく思います。

では、どのような場面でこの言葉(enablement)が登場するかと言いますと、私の関心の範囲では次の2点に限られます。

  • セールス・イネーブルメント(sales enablement)
  • レベニュー・イネーブルメント(revenue enablement)

salesというのは、売り上げという意味がありますが、ここでは売り上げを上げる職務、つまり営業部門と捉えて下さい。つまり、営業活動を行う担当者たちによる営業活動を活性化するというような意味になります。つまり、今まで売り上げに結びつくことが難しかった営業活動を強化するような、いわば武器を与えるようなイメージです。では、これを簡潔に説明する日本語は?となると私もかなり(数年かけて)悩んだのですが、結果的にはカタカナのまま「イネーブルメント」に落ち着きました。実際、「セールス・イネーブルメント」の機能を提供するアプリケーション・ソフトやツールを販売するベンダーさんたちも今では多数登場していると思います。

もっと簡単に「営業力強化」と表現すれば良いのでは?とお感じの方も数多くいらっしゃることでしょう。しかし、ここでご留意いただきたいのは、ここでいうセールス・イネーブルメントは、従来の営業力強化のアプローチとは性質を異にしていることです。従来の営業力を強化を支援するアプリケーションとして、営業支援あるいはSFA(Salesforce Automation)アプリケーションがあるのに、それとどう違うのか?という疑問を持たれる方もおられることでしょう。簡単に違いを説明しますと、従来からのSFA(営業支援)は営業組織としてのパフォーマンスを高めることに主眼があるのに対して、セールス・イネーブルメントは、個々の営業マンの実行能力を高めるところに違いがあります。

具体的に言いますと、SFA(営業支援)の多くは、商談をステージ化してパイプライン管理をサポートします。個々の商談の受注確度をパイプライン上で定量化・可視化することで、営業予測(フォアキャスト)の精度を高め、個々の営業活動の改善を図るところに主眼があると言って良いと思います。このアプローチは言うなれば営業組織としてのパフォーマンス向上が主目的となるわけです。これに対し、セールス・イネーブルメントは、個々の営業担当者に適切な営業コンテンツを提供する、必要知識を学ぶ機会を与える、コーチングを提供するといった形で、個々の営業マンの能力強化をサポートする訳です。

従いまして、SFA(営業支援)とセールス・イネーブルメントのどちらかがあれば営業力が高まると考えるのではなく、両方の連携・活用を通じて営業力が高まっていくということになります。

レベニュー・イネーブルメントはセールス・イネーブルメントをさらに発展させた形のソリューションになります。「セールス」も「レベニュー」も似たような意味を持つ訳ですが、ここでは営業活動を通じて得られる売上や組織を「セールス」と表現し、営業チャネルに限らない収入の機会全体(および組織)を「レベニュー」と表現しています。つまり、サブスクリプションやカスタマー・サクセスなど、昨今活発になってきた営業チャネル以外での活動により、収入機会が営業チャネルとは限らなくなってきており、特定の顧客(アカウント)から得られる収益機会を顧客ライフサイクルのトータルにわたって把握する必要が出てきたということです。従いまして、レベニュー・イネーブルメントは、個々のレベニュー担当者の実行能力を高めることを目的とした考え方でありソリューションであると言うことができる訳です。

私が把握する限り、この「レベニュー(イネーブルメント)」はまだ日本国内では十分に普及していないように思います。この点は私が提起する第二のナゾと密接に関連してきますので、この観点からの記事も今後書いていこうと思います。

本日のところはここまでにしておきます。

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