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かなり時間が空いてしまいましたが、2025年11月20日のSalesforceさんのイベントAgentforce World Tour Tokyoに参加させて頂きましたので、その報告と私なりの感想を述べさせていただきたく思います。

同社は例年この時期に東京でWorld Tourを行い新製品や顧客事例を発表されていますが、本年はタイトルにもある通り”Agentforce”ということで、同社のAgentic AIの取り組みが発表内容の中心だったかと思います。今やどのテクノロジー・ベンダーさんたちもAIを中心にお話されますが、CRMつまり顧客周辺の業務支援機能を網羅的に提供するSalesforceさんだけに、幅広く、かつ奥深くAgenticつまり各顧客応対業務をAIが代行するという事例を交え、説得力とインパクトのある基調講演が行われたと感じました。

CRM支援アプリケーションと言いますと、通常は営業支援や顧客サービス、マーケティングやコマースといった個々の業務機能を支援する形で提供されることが多いと思いますが、紹介された事例では、AIと一元的に統合された顧客情報を軸としてそれらをどのように組み合わせることで成果を出しているか、出そうとしているかに焦点が当てられていたように思います。これは、各アプリケーション製品群と関連情報がお互いに有機的に連携していなければ実現できないことであり、断片的なソリューションしか提供していない競合ベンダーさんたちにはおそらく真似のできない総合的で本格的なソリューションだと感じます。

具体的な事例がいくつか紹介されておりました。詳細はアーカイブ配信をご覧いただきたく思うのですが、例えばコマース機能にAIによるコンテキストを解した関連データを組み合わせることで60%の自動化に成功させた例ですとか、Sales機能とField Service機能の連携のほか、Data360にガバナンスを強化することで休眠顧客のアクティブ化に成功した事例などが報告されておりました。

最近よく聞かれるようになった声として、AIが従来の人間の仕事を奪ってしまうのではないかという危惧を抱くというものもあるかと思いますが、同社はAIが仕事を奪うのではなく、人とAIが協業することで(AIが人間を”拡張”することで)ビジネスを発展させていくというスタンスを明示しておられます。私なりの解釈を付け加えさせていただきますと、AIがこなせるようないわば機械的なタスクはAIに任せてしまい、新たに発生する事象に取り組む、あるいは業務改善の方向性を模索するという人間の役割がなくなることはなく、AIに教え、またAIの結果を教わりという形が今後主流になっていくということではないかということです。

また、同社の見逃せないアプローチとして、「カスタマーゼロ」が紹介されておりました。これは、自社がまずソリューションの顧客として実践し、そこから得られた学びを一般の顧客企業へ提供していくというもので、「顧客の成功」(カスタマー・サクセス)を推進する上で強力なアプローチになるのではないかと思います。

最後に、ある種重大な発表だったのではないかと思うことです。通常は同社に限らず、ソフトウェア・ベンダー各社は自社の成長度合いを冒頭に発表することが多く、同社もそのようなアプローチを取っておりました。以前ですと、外資系の企業さんが日本国内の売上額を開示することは控えるケースが多かったと思うのですが、今回同社は国内の売上額が約2,800億円であると発表されました。このこと自体珍しいと感じましたし、2,800億円という額の大きさ、成長度合いに改めて同社の勢いを痛感いたしました。ちなみに私自身が調査を行なっていた10年以上前の数字ですと、日本全体のCRMソフトウェア売上を足し合わせても500億円にも満たない状況でした。

以上、簡単ですが、Salesforceさんの目覚ましい成長ぶりをご紹介致しました。これが当ブログの主題である「日本型ビジネスのナゾ」とどう関係するのかということですけれども、やはりこのようなテクノロジーがビジネスの成長に深く関わることは間違いないと思います。では、それを誰がどのように推進し、どのような成果を生み出すかということを明確に示していく課題が残されていると思います。本ブログでは課題解決のヒントとなる活動を続けて参りたいと思います。

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