CX(Customer Experience)とは?

CXとはCustomer Experienceを略した表現です。これをあえて日本語にする場合は、顧客体験とされることが多いでしょうか。しかし、どんな顧客がどんな体験をして、それがビジネスにどのように影響するのかという疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。そこで本カテゴリーでは、そのような方々に向けて基本的なところから説明しようと思います。

ひとまず手短に説明すると、顧客(法人であれ一般消費者であれ)が商品やサービスの購入を決定する際の拠り所が、商品の性能や価格ではなく、実際に顧客が見たり触れたり、その瞬間(エクスペリエンス)に移ってきたということです。逆に言うと、競争の激しい市場では、商品自体の性能は十分に高度になっており、それを選ぶ立場の顧客からすると、どの会社の製品でも似たり寄ったり、つまり差別化要素ではなくなってきたということで、むしろ購入決定の際の状況(例えば、細かな質問でも親切に説明してもらえたおかげで納得した、とか、お店やWeb上の案内が非常にわかりやすく、スムーズに必要な商品に辿り着けた、など)が大きく影響するようになったということです。価格競争に陥り、安易に値下げをしてしまうと、その時の顧客はお得感から満足して購入に至るかもしれませんが、長期的で全体的な収益性という観点からはビジネスとしては望ましくないわけです。

さらには、競争の激化は商品の多様化を生み出します。つまり、個々の顧客のニーズにきめ細かく応えられるようラインアップやオプションが増えるということです。またデジタルが普及した昨今の状況では、商品やサービスの提供の仕方が便利でスピーディーになった反面、複雑化してきたという事情もあります。すなわち、お店に足を運んで購入するという形が、インターネットで商品を検索して、即購入するといった形に変わってきたものの、サブスク形式や商品+付帯サービスのバンドルなど選択肢が増えてきたといった具合です。顧客の立場からすると、様々に多様化した商品をどのような形式で購入するのが一番良いのか、判断つきかねる状況にもなっているわけです。そのような場合に、個々の顧客にとってわかりやすく、本当に必要な商品を無駄な手間をかけず購入できるような売り方が求められてきたという事情もCXに注目が集まる大きな理由です。

もちろん様々な業界、商材の性質などによってはCXの影響が異なることもあり得ます。しかし、総じてこの数年間の動きを見ますに、デジタルを活用したCXがビジネスに大きな影響を与えるようになったと言って良いかと思います。

このカテゴリーでは、CXについての様々な説明を加えていきたいと思います。読者の皆様の中には我が社の場合はどうなのか?この商材の場合はどうなのか?そういった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。そのような場合には、コメント欄あるいはお問い合わせフォームからご質問や感想を承りたいと思います。

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