このテーマで記事を書こうと思っていたのですが、思いのほか時間がかかっています。その理由は、さまざまな観点から説明する必要があるからです。
そこでひとまずは、さまざまな企業さんからどのようなCRM製品を選べば良いか、情報提供やアドバイスを求められることが非常に多かった経緯を踏まえ、よく耳にしたあまり良いとは言えない選定方法を箇条書きにしておきます。
- いわゆるマーケットシェアや調査会社の評価レポートだけを参考にしようとする。
- 他社事例、特に失敗事例に過度に敏感になっている。
- CRM支援業務は各顧客接点部門に跨りさまざまな業務機能を必要とするため、複数の個別の製品を選定することが望ましいことが多いにも関わらず、なるべく一つの製品で複数の業務機能をカバーしようとする。
- 得られるリターンを十分に考慮せず、初期投資コストについてのみ過度に警戒する。つまり、高額なライセンスを避け、あるいはランニングコストや付帯費用の考慮よりも、初期費用の安い製品という観点のみで対象製品を探そうとする。
- どのような業務をどのように改善する必要があるかを十分に理解しないまま、IT部門が選定、評価する。あるいは逆に自社のIT環境をよく知らないまま、特定の業務部門が選定を主導する。
- いわゆる「カスタマイズ」のしやすさを重視する。おそらくは、パッケージ型製品をフル活用しようというよりは、パッケージ製品を自社の業務に適応させようとしている。
- 現状発生している顕在的課題の解決手段としてのみ、CRM製品を選定しようとする。つまり、CRM製品が提供し得る本来的、根源的、潜在的、将来的ビジネス価値に気づいていないか、軽視している。
記憶を辿ると他にももっと出てくるかもしれません。しかし、ここで申し上げたいのは、上記のような観点のみを重視しすぎると、自社が本当に必要とするビジネス改革に貢献しきれないのではないかという問題意識を私は持ち続けているということです。
ご要望に応じて、それぞれの観点について今後深く解説して参りたいと思います。
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